はてなの金次郎

とあるエンジニアの技術系ブログ

コテコテのGitLabユーザがCircleCIに入門してみた

はじめに

GitLabユーザがGitHubでCI構築するためにCircleCIに入門する物語です。

GitLab 10.6でGitLab CI/CD for Githubがリリースされているのにもかかわらず、CircleCIを選定した理由は以下です。

  • GitHub.comで利用されているCIサービス第2位(2017年時点)

blog.github.com

  • ForresterにLeaderという最上位のランクに認定されている

www2.circleci.com

  • 単純にほかのCIサービスを触ってみたかった
  • CircleCI 2.0がいい感じらしい

ちなみに、GitLab CI/CD以外に他のCIサービスを触るのは初めてです。なんだがいけないことをしているような気分です。

まずは、GitLab CI/CD、CircleCIがそれぞれどんなサービスで何を売りとしているのかを理解してみます。

GitLab CI/CDって何?

about.gitlab.com

GitLab has integrated CI/CD pipelines to build, test, deploy, and monitor your code Rated #1 in the Forrester CI Wave™

Forresterに認められたNo.1CIサービス。

https://about.gitlab.com/features/gitlab-ci-cd/

GitLab supports development teams with a well-documented installation and configuration processes, an easy-to-follow UI, and a flexible per-seat pricing model that supports self service. GitLab’s vision is to serve enterprise-scale, integrated software development teams that want to spend more time writing code and less time maintaining their tool chain

Forresterのレポートによると、整備されたドキュメントや使いやすいUI、GitLabのビジョンが賞賛されています。

GitLabへの移行で他のCIサービス使っているというケースは考えられますが、よっぽどの変態でもない限り、GitLabを使っているならGitLab CI/CDを選択するのがおそらく一般的なのではないでしょうか。

CircleCIって何?

circleci.com

Power, Flexibility, and Control CircleCI gives your team more speed and configurability than ever before.

他サービスとの柔軟な連携や容易な設定が売りのようです。 ForresterにはGitLabと同じくLeaderに認定されています。

Organizations striving to be lean and stay lean will appreciate the simplified, nearly zero-maintenance approach CircleCI provides. Existing customers will appreciate the new features of CircleCI 2.0 that appear to completely address all the top asks that customers are looking for.

Forresterのレポートによると、ほぼ保守が不要な点と2.0の新機能が賞賛されています。

GitHubであればTravis CIに続いて2番目のシェア率と利用者も多いようです。

それぞれ何となくどんなサービスなのかはわかりましたが、まだボヤけているのでGitLab CI/CDとCircleCIの違いを調べてみることにしました。

GitLab CI/CD vs CircleCI

なんと、それぞれサービスであのCIサービスとはここが違うという主張がまとまっているページがありました。 それぞれの主張を列挙してみます。

GitLab CI/CDの主張

about.gitlab.com

  • CLI, API, Webhookを提供しており、これらを活用することで他サービスとの連携が可能である。
  • GitLab CI/CD にあってCircleCIにない機能が29個ある。
    • Application performance monitoring and alerts
    • Preview your changes with Review Apps
    • Code Quality
    • Show code coverage rate for your pipelines
    • Auto DevOps
    • Easy integration of existing Kubernetes clusters
    • Easy creation of Kubernetes clusters on GKE
    • etc...

CircleCIの主張

circleci.com

  • チームの成長段階に合った最適なツールとの統合ができる。
    • GitHub, BitBucket, Slack, AWSなど、サービス切り替えが容易である。
    • GitLab CIはGitLabのユーザしか使えない。
  • CI/CDにのみ焦点を当てたサービスである。
  • buildersの管理が容易。
    • GitLab Runnerは独自で管理する必要がある。

CircleCIのGitLabはこうだという主張に誤りがあるように感じますが、まとめると、

GitLab CI/CD「GitLabは、DevOpsを実現するための統合ツールであり、我々はその一つのサービスである。DevOpsを実現するための機能をたくさん提供している。」

CircleCI「私たちは何かのツールに依存したサービスではない。CI/CDにのみ焦点を当てており、他サービスとの連携・切り替えが容易である。」

みたいなイメージかなと思います。

CircleCIを使ってみた

実際のリポジトリはこちらです。

github.com

version: 2
jobs:
  build:
    working_directory: ~/aws-sm
    docker:
      - image: circleci/python:3.7
    steps:
      - checkout
      - run: sudo chown -R circleci:circleci /usr/local/bin
      - run: sudo chown -R circleci:circleci /usr/local/lib/python3.7/site-packages
      - restore_cache:
          key: deps1-{{ .Branch }}-{{ checksum "Pipfile.lock" }}
      - run:
          command: |
            pipenv install --system --dev
      - save_cache:
          key: deps1-{{ .Branch }}-{{ checksum "Pipfile.lock" }}
          paths:
            - ".venv"
            - "/usr/local/bin"
            - "/usr/local/lib/python3.7/site-packages"
      - run:
          command: |
            py.test --tb=line --cov-report=html
      - store_artifacts:
          path: htmlcov/
      - run:
          command: |
            flake8
      - run:
          command: |
            radon cc -n C .
            radon mi -n B .

テスト、文法チェック、コードメトリクス計測を走らせてみました。 以下の config.yml を参考にさせていただきました。

github.com

感想

いい感じ

  • GitHubのアカウントを持っていれば簡単に利用を始められる
  • OSと言語を選択することでYAMLの雛形を生成してくれる
  • GitLab CI/CDに似た構文である(CIサービス自体がそこまで異なる構文になるとは思っていませんでしたが)

なんだかなぁ

  • プルリクを作成するまでCIの実行結果をGitHub上で確認できない(Failした時はメールで通知される)
  • ジョブが失敗していてもマージできてしまう
  • coverageのバッジを生成できない

「なんだかなぁ」に関してはこれを解消するための方法があるかもしれません。入門者が「あれ?」と思った点です。

おわりに

使っている時間が全く違うのでかなりGitLab CI/CDに偏った意見になりますが、統合ツールとしてのGitLabの使いやすさを実感する時間になりました。

GitLabはGitLab上でCI/CDの実行結果の確認ができ、CIが失敗した際にはマージボタンが押せません。また、coverageのバッジを自動生成してくれるような設定が可能です。

しかし、かなりの短時間でテストの自動化が実現できたCircleCIは素晴らしいCIツールだと思います。GitHubではCircleCI使っていきたいです。

今回試したのはテストのみだったのでビルド、デプロイも実装してみるとCircleCIの便利さがより見えてくるかもしれません。 今後機会があれば試してみたいです。